日本の鉄路について考える

日本の鉄道についての記事を中心に紹介します

台風19号による首都圏鉄道への被害のまとめ(改訂版)

過去に類を見ない程、勢力を維持したまま首都圏を直撃した台風19号、この台風によって首都圏や周辺地域に甚大な被害をもたらしました。

また時間が経つにつれて新たな被害や影響が確認されています。今回は19日現在の状況をまとめていきたいと思います。

北陸新幹線車両水没

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水没した北陸新幹線用の車両 復旧にはかなりの時間を要する ※画像:毎日新聞

台風接近により大雨が降ったことで千曲川が氾濫しました。この影響で北陸新幹線長野新幹線車両センターが浸水被害を受け、同センターに留置されていた新幹線車両10編成(120両)が水没し甚大な被害となっています。

水没した車両は北陸新幹線全車両の1/3にあたり、今後の運行に大きな影響が出ることは確実で、車両の復旧及び新造が完了するまでは減便は間違いないでしょう。

※19日現在では東京~長野間、金沢~上越妙高間で運行再開しています。通常よりも本数が少ないため利用には注意が必要です。首都圏から北陸地方へ鉄道で移動するには米原経由で東海道新幹線の利用が必要す。25日から臨時ダイヤでの運行が予定されています(本数はかなり少ない)。

 

中央本線(四方津~梁川間)土砂流入

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大量の土砂が流入しており、トンネルも塞がっている ※画像:JR東日本

台風による大雨の影響で四方津~梁川間の線路内に大量の土砂が流入し、高尾~大月間で甚大な被害を受けました。並行する国道20号線中央自動車道も通行止めになったことで東京と山梨間の移動が困難になり大きな影響をもたらしました。

※19日現在、高尾~大月間も運転再開しました。高尾~相模湖間は単線(下り線のみ使用)での運転でシャトル便(高尾~相模湖を往復)の運行となっており、所要時間は25分程度かかっています(通常時は10分程度)。本数は通常よりも少なく、高尾~相模湖間については1時間に1本程度の運行となっています。相模湖から下り方面は当駅で折り返し運転をしており、一部は大月から先の甲府方面へも直通運転を行っているようです。ただし特急列車は10月末頃まで運休となります。

中央道も通行可能となっており、以前よりも東京~山梨間の移動がしやすくなりましたが、道路は混雑が激しいようです。

高尾、相模湖駅の臨時時刻表は下記のホームページをご覧ください。現時点では21日以降のダイヤまで掲載されています。

JR 東日本八王子支社ホームページ:(https://www.jreast.co.jp/hachioji/

 

箱根登山鉄道 全線長期運休

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線路が土砂に押し流された現場 ※画像:Japan-railway

台風の大雨による影響で土砂崩れが発生しました。宮ノ下~小涌谷間では土砂により線路が25mのわたって押し流されるなど甚大な被害となっています。そのほかの場所でも線路が石などで埋まったり線路設備の破損が多くあり再開の見通しは立っていません

箱根はこれから紅葉の季節を迎え、観光シーズンになるだけに影響の大きさは図り知ることができません。

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元々の線形が分からないほどに破損した線路設備 ※画像:箱根登山鉄道

両毛線橋台流出(大平下―栃木間)

両毛線は、大平下―栃木間にある永野川橋梁で橋台背面が流出する被害が出ました。この影響で岩船―栃木間は再開まで1カ月程度かかる見込みです。

 

水郡線橋桁流出(袋田―常陸大子

水郡線は、袋田―常陸大子間にある第六久慈川橋梁の橋桁が流出する被害が出ました。このほかにも西金―上小川間で橋梁の傾き、磐城浅川―里白石間では橋梁の流出が発生しました。

この影響で水郡線常陸大宮~郡山駅間で運転を見合わせています。常陸大子~郡山間は1か月程度の運休、被害が甚大であった常陸大宮~常陸大子間の再開の見通しは立っていません

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橋脚の流出等が発生した水郡線 ※画像:JR東日本

 ⑤小海線 鉄橋破損等

小海線は、滑津北中込間で鉄橋の一部が損壊するなどの被害が発生しています。この影響で小海線小諸~野辺山間で、当面の間運転見合わせとなる予定です。

 

※お出かけの際は最新の情報をご確認ください。