品川~浦賀・三崎口といった都心と三浦半島を結ぶ京浜急行電鉄。
近年では羽田空港の利用者が増加し、空港線も大きな賑わいを見せております。
その一方で三浦半島に位置する自治体の人口は右肩下がりの傾向にあり、今後は少子高齢化の影響も相まって更に人口が減少することが予想されています。
三浦半島は神奈川県の南東部に位置する半島で、都内からだと京急線やJR横須賀線を利用して行くことが出来る観光スポットの多いスポットです。
この観光資源を有効活用しようということで京急電鉄ではお得な切符として
「みさきまぐろきっぷ」が販売されています。
この切符の魅力は何といっても圧倒的コストパフォーマンスであることです。
京急線の横浜駅からみさきまぐろきっぷを利用すると大人1セットあたり3,650~4,100円(デジタルきっぷの場合)です。
磁気乗車券の場合は4,100円のみでの販売となりますので、デジタルきっぷを利用することをお勧めいたします。
切符はネット購入が簡単にできるため、事前に購入して当日は乗車するだけと気軽に利用できます。磁気乗車券は自動券売機で販売している為、窓口等に並ばず購入することが出来ます。
切符は3枚で1セットとなっており、パンフレットはネットでも確認できるほか、券売機等に置いてあります。
切符の内容は
①電車&バス乗車券
②まぐろまんぷく券
③三浦・三崎おもひで券
となっております。
電車&バス乗車券は発駅から三崎口までの往復分(途中下車可 ※ただし逆戻りは不可)とフリー区間内の京急バスが乗り放題の券となっており、三崎口駅から先の利便性も確保されています。
横浜から特急電車に乗ると三崎口まで電車に揺られること約50分で、三浦半島の玄関口である三崎口駅に到着します。
ちなみに京急線には遭遇すると幸せになれると言われている車両(通称:YELLOW HAPPY TRAIN)が走っています。京急のイメージカラーである赤色の車体が特徴的な京急の車両ですが、この電車だけは黄色い車体となっています。この車両の誕生のきっかけは西武鉄道との企画がきっかけだとか。
赤色の車体の列車が多く走る京急線では圧倒的存在感のある黄色い車体の電車、YELLOW HAPPY TRAIN。西武鉄道には逆に京急電鉄の車両を模した赤色の車両が走っているようです。
2枚目のまぐろまんぷく券では提携しているお店でまぐろなどが贅沢に使われた海鮮丼などを食べることが出来ます(通常価格だと大体2,000円前後するそうです)。お店の種類や食べられる料理、お店の立地も様々あるので、食べたいものを食べに行くもよし、観光ルート沿いにあるお店に入るもよし、融通が利く御食事券です。
3枚目の三浦・三崎おもひで券は地元のお土産と引き換えることが出来たり、三浦港から出港する観光用の遊覧船に乗車出来たり、釣りの利用券としても利用することが出来ます。
この3枚の券を存分に使用すると、少し豪華な昼食代程度は簡単にお得になる切符です。
このように、かなりコストパフォーマンスの良い切符となっていますので、利用者数も年々増加傾向にあり、休日は駅、観光スポット共にかなりの賑わいを見せています。
日本は少子高齢化社会に突入し、東京一極集中化も進んでおります。三浦半島周辺も例外ではなく、三浦半島の人口が減少するとともに、同区間の輸送人員数も減少すると思われます。地元住民の利用需要が低下することを見越して、京急電鉄は観光需要の創出と拡大を試みており、その起爆剤として「みさきまぐろきっぷ」を発売しているのです。
ただ鉄道を走らせていれば良い時代は終わりを迎え、これから先も生き残っていくためには沿線の魅力や付加価値を向上していく必要があります。その先駆けとして京急電鉄は「みさきまぐろきっぷ」を導入し、沿線の観光地と共に飛躍を試みているのだと思います。