日本の鉄路について考える

日本の鉄道と観光スポットについての記事を中心に紹介します

江ノ電の魅力とは?鎌倉・江ノ島を結ぶ人気ローカル線が愛される5つの理由

昭和から活躍を続ける江ノ電300形。レトロな雰囲気も江ノ電の魅力の一つです。※画像:江ノ島電鉄株式会社

神奈川県の藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ「江ノ電(江ノ島電鉄)」は、全長約10kmという短い路線ながら、全国から観光客や鉄道ファンが訪れる人気路線です。

住宅街の中を走るレトロな車両、相模湾を望む美しい車窓、沿線に広がる鎌倉や江ノ島の観光地など、江ノ電には単なる移動手段を超えた魅力があります。

なぜ江ノ電はこれほど多くの人を引きつけるのでしょうか。本記事では、その理由を歴史や沿線の見どころとともに紹介します。

 江ノ電沿線には、新江ノ島水族館や江の島シーキャンドルなど人気スポットが点在しています。事前に電子チケットを購入しておくとスムーズに観光できます。 

江ノ電の歴史|湘南の街とともに歩んできた120年以上の路線

江ノ電の歴史は1902年(明治35年)に始まります。

当時、鎌倉や江ノ島は観光地として発展していましたが、地域を結ぶ交通手段は十分ではありませんでした。そこで建設されたのが江ノ島電気鉄道で、1902年に藤沢駅~片瀬駅(現在の江ノ島駅)間が開業。その後延伸が進み、1910年には現在と同じ藤沢駅~鎌倉駅間の全線が開通しました。

藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ全長約10kmの江ノ電の路線図。沿線には人気の観光スポットが数多くあります。※画像:Wikipedia

開業後の江ノ電は、沿線住民の生活を支える交通機関であると同時に、鎌倉や江ノ島を訪れる観光客を運ぶ路線として成長していきました。

一方で、1960年代後半には自動車の普及によって利用者が減少し、廃線の危機に直面した時期もあります。しかし、古い街並みや海沿いを走る独特の風景、レトロな車両などが再評価され、観光路線として新たな魅力を発揮するようになりました。

現在では、鎌倉と江ノ島を結ぶ湘南観光の象徴として、多くの観光客や鉄道ファンに愛される存在となっています。

江ノ電が人気の理由5選

1. レトロな車両とローカル線らしい雰囲気

江ノ電は全線単線で運行され、最大4両編成の小さな車両が特徴です。

住宅街の間を縫うように走り、道路上を走る区間もあるため、一般的な鉄道路線とは違った魅力があります。

特に古くから活躍する車両は、昭和の雰囲気を感じられる存在として鉄道ファンだけでなく観光客からも人気です。

 2. 江ノ電の車窓から楽しめる海や街並みの絶景

江ノ電の魅力として欠かせないのが車窓風景です。

区間によって景色が大きく変化することが特徴で、

  • 民家の間を走る街中の風景
  • 寺院沿いの落ち着いた景色
  • 相模湾を望む海沿いの景色

など、短い路線ながら多彩な風景を楽しめます。

相模湾を望む鎌倉高校前駅。江ノ電屈指の絶景スポットとして人気を集めています。
3. 鎌倉・江ノ島観光に欠かせない路線

江ノ電沿線には、多くの観光スポットがあります。

主な観光スポット

  • 高徳院(鎌倉大仏)
  • 長谷寺
  • 極楽寺
  • 江ノ島
  • 新江ノ島水族館
  • 由比ヶ浜
  • 鎌倉高校前駅

江ノ電に乗るだけで、歴史ある寺院から海沿いの観光地まで効率よく巡ることができます。

4. 鎌倉高校前など写真スポットが多い

江ノ電沿線には写真撮影スポットも数多くあります。

特に鎌倉高校前駅近くの踏切は、海と江ノ電を同時に撮影できる場所として国内外から注目されています。

鎌倉高校前駅近くの踏切は、国内外から多くの観光客が訪れる人気の撮影スポットです。

また、梅雨の時期には沿線の紫陽花と江ノ電を組み合わせた風景も人気です。

梅雨の時期には紫陽花と江ノ電の共演が楽しめ、季節によって様々な景色を堪能できます。※トラベルナビタイム
5. 都心からアクセスしやすいのに非日常を味わえる

江ノ電の大きな魅力は、東京から約1時間ほどで訪れることができる点です。

鎌倉駅にはJR横須賀線、藤沢駅にはJR東海道線が乗り入れており、都心からの日帰り旅行にも適しています。

一方で、江ノ電に乗車すると都会とは異なるゆったりとした時間が流れることから、都会の喧騒を忘れ非日常感を味わうことができます。

江ノ電でおすすめの観光区間3選

鎌倉駅~長谷駅

鎌倉観光の定番区間です。
長谷駅周辺には鎌倉大仏で有名な高徳院や長谷寺があり、歴史ある寺院巡りを楽しめます。

江ノ島駅~腰越駅

江ノ電唯一の道路上を走る区間です。住宅街や商店街の中をゆっくり走る姿は、江ノ電ならではの風景として人気があります。

また腰越駅では、ホームの長さの関係で一部車両のドアを開閉しない「ドアカット」が珍しい光景として知られています。

鎌倉高校前駅周辺

相模湾沿いを走る江ノ電を楽しめる人気エリアです。人気漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」のファンが聖地巡礼するなど、国内外から多くの観光客が訪れています。

▼江ノ電沿線には、水族館や展望施設などがあり、割引付きの電子チケットも販売されています。お得に観光したい場合は、アソビューでの事前購入がおすすめです。

江ノ電での観光には「のりおりくん」がおすすめ

江ノ電沿線には鎌倉大仏や長谷寺、江ノ島など途中下車したい観光スポットが多いため、何度も乗り降りする場合は1日乗車券「のりおりくん」が便利です。

「のりおりくん」は江ノ電全線で利用でき、駅の券売機やデジタル版チケットで購入できます。沿線観光をゆっくり楽しみたい方にはおすすめの切符です。

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まとめ:江ノ電は移動そのものが観光になる鉄道路線

江ノ電が多くの人に愛される理由は、単なる交通手段ではなく「乗ること自体が観光体験になる」路線だからです。

レトロな車両、ゆっくり流れる時間、海や街並みの美しい景色、そして鎌倉・江ノ島の豊富な観光地。

都会から近い場所にありながら、日常を忘れられる特別な時間を提供してくれることこそ、江ノ電最大の魅力と言えるでしょう。

なぜ中央特快は吉祥寺駅に止まらない?利用者12万人超の駅に止まらない3つの理由

吉祥寺駅は、JR中央線と京王井の頭線が乗り入れる東京都武蔵野市に位置しています。

住みたい街としても人気が高く、駅周辺には大型商業施設や飲食店、井の頭公園など多くの人を集める施設があり、東京都西部を代表するターミナル駅の一つです。

しかし、そんな吉祥寺駅には一つの疑問があります。

それは、

「なぜ利用者が多い吉祥寺駅に中央特快は停車しないのか?」

ということです。

JR東日本の統計によると、吉祥寺駅の1日平均乗車人員は約128,000人です。これは中央快速線の駅では東京駅、新宿駅、立川駅、中野駅に次ぐ5番目の多さとなっています。

一方、中央特快が停車する三鷹駅の1日平均乗車人員は約87,000人です。

単純に駅の利用者数だけを見ると、吉祥寺駅のほうが約4万人多く、「なぜ利用者の少ない三鷹駅に中央特快が停車するのか」という疑問が生まれます。

しかし、鉄道の停車駅は利用者数だけで決められているわけではありません。

列車の役割や駅の設備、他の列車との接続、路線全体の運行効率など、さまざまな条件を考慮して設定されています。

中央特快の場合も、吉祥寺駅の利用者数だけを見ると停車しても不思議ではありませんが、中央線全体のダイヤを考えた結果、現在の「吉祥寺通過・三鷹停車」という形になっています。

では、なぜJRはこのような停車駅設定を採用しているのでしょうか。

中央快速線の主力車両であるE233系0番台。快速や中央特快など、中央線を走る多くの列車種別で活躍しています。

▼中央快速線で活躍するE233系は、鉄道模型でも人気の高い車両です。

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中央特快とはどんな列車なのか?

中央快速線では、利用者の目的に合わせて複数の列車種別が運行されています。

主な種別は以下の通りです。

  • 快速
  • 通勤快速
  • 中央特快
  • 青梅特快
  • 通勤特快
  • 「あずさ」「かいじ」「富士回遊」などの特急

この中で中央特快は、日中時間帯を中心に運転される速達列車です。

停車駅は、東京方面から見ると、東京、神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川、立川から先の各駅です。

一方、快速列車は中野以西は各駅停車になります。

つまり中央特快は、「遠距離利用者をより早く都心へ運ぶ列車」として設定されています。

中央特快が吉祥寺駅を通過する理由

中央特快が吉祥寺駅を通過する理由として、主に以下の3点が考えられます。

①速達性を維持するため

中央特快の大きな役割は、東京・新宿の都心方面と多摩地区を結ぶ速達性の向上です。

もし吉祥寺駅に停車すると、現在停車している三鷹駅との連続停車になります。

東京方面から見ると、中野、吉祥寺、三鷹という形で停車駅が増えるため、中央特快本来の速達性が低下します。

中央線では利用者の多い駅をすべて停車させるのではなく、

  • 短距離利用者は快速
  • 長距離利用者は中央特快

という役割分担を行っています。

吉祥寺駅の場合、新宿駅まで快速で15分程度で到達できること、所要時間は少し長くなりますが、並行する中央総武緩行線も利用可能なため、快速列車のみの停車でも十分な利便性が確保されていると考えられます。

②三鷹駅で快速列車との接続を行うため

中央特快が吉祥寺駅ではなく三鷹駅に停車する大きな理由の一つが、三鷹駅で快速列車との接続を行うダイヤが組まれているためです。

中央快速線では、中央特快や特急列車といった速達列車と快速列車が同一の線路を共用して走行しています。

そのため、中央特快は途中駅で前を走る快速列車に途中駅で追いつき、相互に乗り換えられるような仕組みになっています。

その接続を取ることが出来る駅の一つが三鷹駅なのです。

そのため、駅構造にも大きな特徴があります。

中央快速線の吉祥寺駅のホームは、1つのホームの両側に上下線の線路が1本ずつある構造となっており、追い越しや長時間の接続を行う設備がありません。

一方、三鷹駅は上下線の線路が2本ずつあり、上下線それぞれで1面2線、合計で2面4線の線路とホームを有しており、緩急接続が取りやすい構造になっています。

そのため、

「利用者の多い吉祥寺駅に停車する」

よりも、

「三鷹駅で快速から中央特快へ乗り換えられるようにする」

方が、中央線全体の運行効率や利便性を高めることにつながります。

③快速と中央特快の混雑を分散するため

中央特快を吉祥寺駅に停車させると、利用者の流れにも変化が起こります。

吉祥寺駅は利用者の多い駅であるため、中央特快を停車させれば多くの利用者が中央特快を選択すると考えられます。

しかし、中央特快だけに利用者が集中すると、

  • 中央特快がより混雑する
  • 快速列車の利用者が中央特快に流れることで減る
  • 列車ごとの混雑差が大きくなる

といった問題が発生する可能性があります。

鉄道会社としては、各列車の混雑が分散するように利用してもらうことも重要になります。

鉄道会社にとっては、

「どの駅に止めれば一番便利か」

だけではなく、

「路線全体の運行を安定的に行えるか」

という視点も重要になります。

京王井の頭線との競合も関係している?

中央特快が吉祥寺駅を通過する理由として、もう一つ考えられるのが京王井の頭線との関係です。

吉祥寺駅にはJR中央線だけではなく、京王井の頭線も乗り入れています。

京王井の頭線は吉祥寺駅から渋谷駅までを結ぶ路線で、吉祥寺駅は中央線沿線から渋谷方面へ向かう利用者にとって乗換駅ともなり得ます。

例えば、立川方面から渋谷へ向かう場合、

  • 新宿まで出て山手線に乗り換える
  • 吉祥寺駅で京王井の頭線へ乗り換える

という2つの経路から選択できます。そのため、中央線と京王井の頭線は一部区間で競合関係にあると言えます。

このため、

「中央特快を吉祥寺に停車させると、JRから京王井の頭線へ利用者が流れる可能性があるのではないか」

という見方があります。

ただし、この点についてJR東日本が公式に「京王線への流出防止」を理由として発表しているわけではありません。

そのため、これはあくまで鉄道ファンや研究者の間で語られる一つの考察として見る必要があります。

実際には、速達性の維持やダイヤ構成、駅設備など複数の要素を総合的に判断して現在の停車駅が決められていると考えられます。

なぜ利用者数の多い吉祥寺より三鷹に停車するのか?

ここで多くの人が疑問に感じるのが、

「吉祥寺より利用者数が少ない三鷹駅に停車するのはなぜ?」

という点です。

これは、単純な利用者数ではなく、三鷹駅が中央線の運行上重要な役割を持っているためです。

三鷹駅は、

  • 中央快速線と中央・総武線各駅停車の接続駅
  • 中央特快と快速列車の緩急接続が可能なホーム構造を有している

という特徴があります。

つまり三鷹駅は、

「利用者数だけではなく、中央線全体のダイヤを支える駅」

なのです。

中央特快が吉祥寺駅に停車する可能性はある?

ここまで中央特快が吉祥寺駅を通過する理由について解説してきました。

では、今後中央特快が吉祥寺駅に停車する可能性はあるのでしょうか。

結論から言うと、「現時点では可能性は高くない」と考えられます。

理由は、現在の中央線快速のダイヤが、三鷹駅での緩急接続を前提としたダイヤが組まれているためです。

もし中央特快を吉祥寺駅に停車させる場合、

  • 所要時間の増加
  • 後続列車への影響
  • 混雑バランスの偏り

など、多くの調整が必要になります。

特に中央快速線は、過密なダイヤで運行されている路線としても有名であり、わずかな変更でも路線全体のダイヤに影響を与えます。

そのため、

「利用者が多いから停車する」

という単純な判断では変更は難しいと考えます。

中央線グリーン車導入による影響

中央快速線では、2025年にグリーン車サービスが開始されました。

これにより、中央線快速では12両編成での運転が行われるようになり、輸送力及び着席サービスの向上が図られています。

ただし、このような大きな設備変更が行われても、中央特快の停車駅については大きな変更はありませんでした。

これは、グリーン車による輸送力向上と、中央特快の停車駅設定は別の問題であり、今後もダイヤ全体のバランスを見ながら判断されることだからです。

 

まとめ:中央特快が吉祥寺を通過する理由は利用者数だけでは決まらない

吉祥寺駅は利用者が多く、東京都西部を代表する駅です。

そのため、「なぜ中央特快が停車しないのか?」という疑問の声がよく聞かれます。

しかし、中央特快が吉祥寺駅を通過する理由は、単純に駅の利用者数だけではありません。

主な理由は、

  • 中央特快の速達性を維持するため
  • 三鷹駅で快速列車との接続を行うため
  • 快速と中央特快の役割分担を明確にするため
  • 路線全体のダイヤを安定させるため

です。

鉄道の停車駅は「利用者が多い駅に止まる」という単純な仕組みではなく、路線全体の利便性や運行効率を考えて決められています。

吉祥寺駅を通過する中央特快には、利用者数だけでは見えない中央線ならではの事情が隠されているのです。

中央線を利用する際には、こうした列車種別や停車駅の背景に注目してみると、普段何気なく乗っている電車がより興味深く感じられるかもしれません。

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一部区間廃止が決定的となったJR久留里線の未来

2024年11月27日にJR東日本より衝撃の発表がなされました。

その内容というのが、JR久留里線木更津駅上総亀山駅 全長32.2㌔)のうちの約1/3の距離に相当する久留里駅上総亀山駅間9.6㌔について廃止するというものです。

今後は沿線自治体との協議のうえ、バスなどの公共交通機関に転換する方針であるとのことです。

直近の報告では、沿線地域の移動需要を考慮すると「自動車中心の交通体系に移行することにより、より利便性が高い地域公共交通が実現する」と結論づけられていましたが、ここまで早く廃止に向けた動きが加速するとは思っていませんでした。

 

これまでもJR東日本管内では災害などで運休となった地方路線を廃線などとするケース(津軽線や山田線の一部など)はありましたが、利用者数の減少のみを理由とした廃止ははじめてのように思います。

今回は、JR久留里線の現状を見ながら、廃止発表に至った経緯を考察していきたいと思います。

久留里線で使用されているキハE130系車両 ※画像:君津市ホームページより

1.利用者数の減少と営業係数の悪化

早速ですが、JR東日本が発足した1987年と2023年の利用者数の変化を存続される木更津駅久留里駅間と、廃止される久留里駅上総亀山駅間で分けて見ていきたいと思います。

木更津駅久留里駅 4,446人/日→1,072人/日(76%減)

久留里駅上総亀山駅 823人/日→64人/日(92%減)

このように、1987年時点から久留里駅を境に利用者数に大きな差があることが分かります。そして、2023年データで久留里駅上総亀山駅間は1日に64人しか利用していないという状態です。鉄道の普段利用がいかに少ないかが見て取れますし、64人であればバス輸送でも問題なく運べる数値になります。

続いて営業係数を見ていきましょう。

木更津駅久留里駅 1,107円(収益率:9.0%)

久留里駅上総亀山駅 13,580円(収益率:0.7%)

こちらも、久留里駅を境に大きな差があることが分かります。全線にわたって赤字になっているのですが、久留里駅上総亀山駅間に至っては100円稼ぐのに13,580円もかかるという不採算ぶりです。

この数字は先述した災害復旧を断念し、廃止予定になっている津軽線中小国駅三厩駅間の13,520円を上回るワースト1位の結果となっています。

※データはJR東日本発表資料より参照

 

2.競合バス路線の存在

東京湾アクアラインの開通に伴い、東京駅から安房鴨川を結ぶ高速バスが、久留里線に並走する形で運行されています。高速バスは東京湾を横断できることから、所要時間で鉄道よりも優位に立つことができ、房総特急の驚異的存在ともなりました。

この高速バスは木更津や久留里を経由すること、久留里駅から2時間弱で東京駅まで運行されていることもあり、高速バスに需要が流れているものと推定されます。

また、沿線は車社会であることから、自家用車でアクアラインを利用するケースや、久留里駅木更津駅まで自家用車での送迎・高速バスへの乗り換えなどの流動が大きいものと推定できます。

 

3.不便なダイヤ体制

木更津駅久留里駅間については、毎時1時間に1本程度の列車本数が確保されていますが、久留里駅上総亀山駅間は上り9本、下り8本のみしか運行されない状況です。

これは通学・通勤需要が木更津駅周辺ではあるものの、久留里駅より先の区間ではそういった需要も少ないことを意味しています。

これではますます電車から車移動へシフトしてしまうのは致し方ない部分があるといえます。

※11/16~12/1までは「奥房総 亀山湖 紅葉ハイキング ~橋めぐり~」というイベント開催に伴い、臨時列車が久留里駅上総亀山駅間でも運行されている模様です。

このように、時代の変化とともに車社会への移行や、少子高齢化による通学需要の減少など、久留里線を取り巻く環境は厳しいものとなりました。

近隣の養老渓谷などの観光需要などがない、久留里駅上総亀山駅間の地域輸送は限界を迎え、今回のような決断に至ったのだと思われますが、今回の事例を皮切りに首都圏であっても鉄道網の再編が行われていくことになると考えられます。

今ある路線が今後も当たり前に走っていくとは限らないのだと改めて実感することになりました。

JR北海道管内にて発生した脱線事故から考える鉄道貨物の安全性(下)

2024年11月16日に発生したJR北海道管内の貨物列車脱線事故の追加発表が11月18日になされました。

その内容は想像以上のもので、破損したレールは本来15ミリある部分が腐食によって3ミリにまで薄くなっていたということでした。鉄道の安全について再度考えさせられることになったと実感しています。

今回は同内容を踏まえたうえでの考察をしていきたいと思います。

破損したレールの写真 わかりにくいですが、腐食が進んでいます ※画像:JR北海道発表資料

※(上)編は以下の以下のリンクよりお読みいただけます

southsnows.hatenablog.com

 

今回の予想以上の腐食が発生した理由についてはいくつか考えられると思います。

一つ目は降雪です。北海道は降雪が多く線路にも雪がたまりやすくなります。そうすると目視での点検などの障害となり得ると考えられます。また、融雪時に雪解け水が鉄の腐食を早めることも推察できます。今回は踏切にあたる線路が破損したとのことで、踏切板などの設置物があったことも、早期発見の妨げになったと思います。

二つ目は塩害です。同区間は海が近い立地のため、海風によって海水の塩分が線路に付着しやすい環境にあったと思われます。これが鉄の腐食を早めたのではないかと考えられます。

三つ目は特急列車及び、貨物列車の重量による負担です。同区間は特急北斗が通過する区間であり、普通列車よりも性能の高い列車が通過します。また、2011年の不祥事が明るみになる以前は特急列車の130km/h運転や振り子式列車の走行など、線路にかかる負担が現在よりも大きかった期間が存在します。ただし、森駅は特急列車の停車駅であることから、最高速度で同区間を日常的に走行することは少ないように思われますので、この影響は少ないかもしれません。

それ以上に影響があるのは、貨物列車の重量によるものだと考えられます。多くのコンテナ荷物を積載し、長編成で走行する貨物列車は旅客列車に比べて重量が重くなります。その分通過時に線路にかける負担は大きくなりますので、今回の事故においても貨物列車の通過時の負担に耐え切れず破損したものではないかと推定されます。

事故発生の踏切 傾斜があることがわかります ※画像:JR北海道発表資料

貨物列車が日常的に通過する区間については保線コストが大きくなることが一般的ですが、経営状況の厳しいJR北海道がどこまで対応することができるのか疑問が残ります。

北海道はただでさえ除雪による保線コストがかかる路線が多く、列車本数が少ないことから、営業列車とは別に除雪車を走らせる必要があります。

この事故以前から「当社単独では老朽土木構造物の更新を含め、安全な鉄道サービスを維持するための費用を確保できない線区」が10路線13区間もあることを公表しています。今回の事故を受けて更に保線コストが増大する事態となれば、無理して維持するのではなく廃止してしまうといった動きが加速してしまう恐れもあり、今後の鉄道事業に大きな影響を与えかねません。JR北海道の線区は旅客輸送よりも貨物輸送の重要度が高い区間もあるため、一企業に丸投げするスタイルには限界があるのではないかと思います。

北海道の鉄路は大きな分岐点にあり、今後の対応次第では鉄道網が大きく縮小するといった可能性もあることから、続報に注目したいと思います。

JR北海道管内にて発生した脱線事故から考える鉄道貨物の安全性(上)

2024年11月16日、JR北海道より心配な発表がなされました。

それは、函館線の森~石倉駅間にてJR貨物の貨物列車が脱線したというものです。

数年前に起こった、脱線事故を思い出させる発表に心配の声が上がっています。

今回は同事故の現状と、想定される影響を考察していきたいと思います。

 

1.事故の概要

発生日時:2024年11月16日 1時41分頃

発生場所:函館線 森~石倉間 53k129m付近

関係列車:貨物3087列車 名古屋ターミナル発札幌ターミナル行き

列車編成:機関車1両、コンテナ貨車20両

※事故によるけが人なし

 

脱線原因は現時点では不明とのことですが、近年はJR北海道の保線に関する不正やJR貨物の車軸検査の不正がニュースとなったこともあり、そういった理由が事故の原因ではないことを願うばかりです。

複数の車両が脱線していることが分かります ※画像:JR北海道発表資料

2.事故による影響

この事故によって、同区間を走行する特急北斗、普通列車、貨物列車が運休を余儀なくされています。

バス代行を実施しているといった情報もありますが、輸送力が圧倒的に不足しており、利用客からは不満の声が出ている模様です。

 

また、同区間は北海道と本州の鉄道貨物輸送の大動脈といえる区間であり、北海道の農産物の輸送などに大きな影響が出ると見込まれます。

脱線の影響で軌道にも損傷が発生していることが確認できます ※画像:JR北海道発表資料

この事故では幸いなことに死傷者は発生しませんでしたが、これが旅客列車の通過時に発生していた場合は被害が大きくなっていた可能性もあります。

事故原因の究明と再発防止策の検討が第一ではありますが、JR北海道JR貨物の深刻な経営状態を考えると、自己努力に頼るのではなく公的な支援も不可欠になるのかもしれません。

少子高齢化や2024年問題でトラック輸送を中心に人員不足が深刻になりつつある昨今、鉄道貨物に改めて注目が集まっています。今回の事故を教訓に今以上の安全対策を行っていただきたいと願います。

JR北海道の厳しさを数字から追う

経営危機が危ぶまれているJR北海道ですが、令和5年度の営業係数が札幌近郊区間で100を下回ったとして大きな話題となりました。

それでも、JR北海道路線全体での営業係数は近年の赤字区間廃止を行ったうえでも157と100を超えており、走らせれば走らせるほど赤字となる厳しい状況です。

 

数年前までは感染症流行の影響も相まって、営業係数が全路線で100を超えているという衝撃的な状態でした。すなわち、JR北海道のドル箱路線と言われている札幌~新千歳空港駅間をはじめとした札幌近郊区間も赤字だったのです。

これにはいくつかの要因がありますが、本州の鉄道会社と大きく違う点は冬季の除雪費用が大きくかさむということ、札幌一極集中による輸送密度の低下があると考えられます。

 

今回はJR北海道各駅の1日あたりの乗降客数をJR東日本の路線に当てはめるとどういった結果になるのかを調査し、JR北海道の厳しさを数字から追っていきたいと思います。

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廃線が続けばいずれ北海道の路線はこれだけになってしまうかもしれない ※画像:エキサイトニュース

 ①乗降客数上位20位以内の駅

 

まずはJR北海道の乗降客数トップ5の駅を比較してみましょう。

1位:札幌 154,528人→立川(JR東日本:第14位) 150,628人

2位:新千歳空港 27,870人→我孫子(JR東日本:第140位) 27,877人

3位:新札幌 25,326人→幕張本郷(JR東日本:第149位)  25,780人

4位:手稲 25,186人→逗子(JR東日本:第150位)  25,184人

5位:琴似 19,002人→長野(JR東日本:第187位)  19,286人

 

以上の駅がランクインをしました。やはり、200万人都市「札幌」の中心である札幌駅の利用は飛びぬけて多いものの、それでも首都圏でいうと東京都多摩地域の中核駅である立川駅と同規模であるので、200万人都市としては寂しい数字であると思います。

2位以降も札幌圏の駅がランクインしていますが、数字は一気に下がり、2位の新千歳空港駅でさえも首都圏で当てはめると常磐線の終着駅としてなじみのある千葉県の我孫子駅となります。

さらに5位の時点で乗降客数は2万人以下とさみしい数字となっています。

運行本数の違いがあるものの、この時点ですでにJR北海道の運営が厳しいことが両者を比較することでお分かりいただけるのではないでしょうか。

続いて6位~20位を見ていきましょう。

6位:桑園 18,858人→鎌取(JR東日本:第188位)  18,629人

7位:千歳 15,914人→天王台(JR東日本:第215位)  15,984人

8位:小樽 14,670人→小作(JR東日本:第225位)  14,718人

9位:白石 14,058人→与野本町(JR東日本:第230位) 14,124人

10位:恵庭 13,544人→葛西臨海公園(JR東日本:第235位) 13,646人

11位:北広島 13,264人→籠原(JR東日本:第239位) 13,256人

12位:大麻 10,768人→牛久(JR東日本:第267位) 10,776人

13位:苗穂 10,766人→北与野(JR東日本:第268位) 10,747人

14位:野幌 10,198人→尾久(JR東日本:第272位) 10,153人

15位:星置 9,442人→谷保(JR東日本:第278位) 9,442人

16位:発寒中央 7,904人→南古谷(JR東日本:第298位) 7,783人

17位:稲積公園 7,726人→市川塩浜(JR東日本:第300位) 7,720人

18位:発寒 7,648人→稲城長沼(JR東日本:第301位) 7,586人

19位:岩見沢 7,166人→浜野(JR東日本:第304位) 7,265人

20位:森林公園 7,016人→荒川沖(JR東日本:第305位) 7,062人

7位の千歳駅までは15,000人以上でしたが、観光地で有名な8位の小樽駅以降は15,000人を下回ります。

そして特急列車が走っており北海道でも有数の大きな都市である旭川でに至ってはベスト20に入らないという結果になっています。

16位以降までくると7,000人台にまで下がり、関東でいうとかなりローカルな駅といったイメージになる駅と同じくらいの数字になります。

 

一方で11位にランクインした北広島駅北海道日本ハムファイターズの本拠地であるエスコンフィールド北海道が本格的に稼働したこともあり、今後の乗降客数の大幅な上昇が期待されるため、最新の情報に注目していきたいと思います。

※データは国土交通省国土政策局(令和5年度)及びJR東日本発表資料を使用

 

②有名な都市駅

旭川 6,890人→向河原(JR東日本:第309位) 7,062人

苫小牧 5,982人→東青梅(JR東日本:第324位) 6,002人

函館 3,676人→北上(JR東日本:第397位) 3,668人

東室蘭 2,954人→下館(JR東日本:第422位) 3,668人

帯広 1,764人→藤野(JR東日本:第507位)1,759人

釧路 1,166人→野崎(JR東日本:第562位)1,167人

網走 536人→八郎潟(JR東日本:第676位)539人

 

北海道と聞いて思い浮かぶ駅の乗降客数は以上の通りです。比較的利用者の多い旭川や苫小牧でも5、6千人台となっており、観光地として有名な函館に至っては3千人台とさみしい数字になっています。

※データは国土交通省国土政策局(令和5年度)及びJR東日本発表資料を使用

まとめ

このようにJR北海道の各駅の利用者数は札幌駅の利用者は比較的多いものの、その他の駅は皆様の予想より少なく、特に関東にお住まいの方は駅の規模の大きさがイメージできたのではないでしょうか。

北海道は車社会であるがゆえに、人口の多い札幌圏でも駅の利用者はそれほど多くありません。

また、降雪量が多く低温地域を走行することから、除雪費用や車両の劣化が早いことによる修繕費用が多くかかることもJR北海道の財政を圧迫しています。

経営努力が足りないという批判の声もあるようですが、この数値を見ていただければ、経営努力だけで解決できる問題ではないことは一目瞭然です。

JR北海道は運賃の値上げを実施することを発表していますが、各駅の利用者数を他地域と比較するとやむを得ないと思わざるを得ないのが実情です。

この先の道内の鉄路はどのような未来へと進むのか、注目していきたいと思います。

🐬新江ノ島水族館のお得な入場料情報🐬

新江ノ島水族館(通称:えのすい)は江の島観光でも人気スポットとなっています。

そこで今回は、えのすいの入場料をお得にする方法を紹介したいと思います!

 

1.通常料金

当日チケット売り場窓口で購入できます。えのすいの入場料は、年齢別に価格が異なるのみでシンプルな構成となっています。

新江ノ島水族館公式ホームページに記載の入場料はこちら(2024年4月1日改訂) 出典:公式ホームページ

1年に2回以上訪れる方は、年間パスポートがお得(入場料2回分)です♪

 

2.アソビュー!を利用して購入(5%割引クーポンあり)

アソビュー!というサイトを利用すると、えのすい以外のレジャー施設のチケットなどを事前予約することができます。また、割引クーポンがあるので当日窓口で購入するよりもお得に購入できることや、当日チケット購入のために並ぶ必要もありません!

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以下の鉄道会社の1日乗車券を購入して訪れる場合は、入場料10%OFFの割引特典を受けることができます!

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