日本の鉄路について考える

日本の鉄道と観光スポットについての記事を中心に紹介します

鉄道

一部区間廃止が決定的となったJR久留里線の未来

2024年11月27日にJR東日本より衝撃の発表がなされました。 その内容というのが、JR久留里線(木更津駅~上総亀山駅 全長32.2㌔)のうちの約1/3の距離に相当する久留里駅~上総亀山駅間9.6㌔について廃止するというものです。 今後は沿線自治体との協議のうえ…

JR北海道管内にて発生した脱線事故から考える鉄道貨物の安全性(下)

2024年11月16日に発生したJR北海道管内の貨物列車脱線事故の追加発表が11月18日になされました。 その内容は想像以上のもので、破損したレールは本来15ミリある部分が腐食によって3ミリにまで薄くなっていたということでした。鉄道の安全について再度考えさ…

JR北海道管内にて発生した脱線事故から考える鉄道貨物の安全性(上)

2024年11月16日、JR北海道より心配な発表がなされました。 それは、函館線の森~石倉駅間にてJR貨物の貨物列車が脱線したというものです。 数年前に起こった、脱線事故を思い出させる発表に心配の声が上がっています。 今回は同事故の現状と、想定される影響…

JR北海道の厳しさを数字から追う

経営危機が危ぶまれているJR北海道ですが、令和5年度の営業係数が札幌近郊区間で100を下回ったとして大きな話題となりました。 それでも、JR北海道路線全体での営業係数は近年の赤字区間廃止を行ったうえでも157と100を超えており、走らせれば走らせるほど赤…

青春18きっぷの変遷と展望

2024年10月24日にJRより、青春18きっぷをリニューアルすると発表されました。 そのリニューアルについて様々な反応があることから、リニューアル前後の変化についてまとめてみたいと思います。 リニューアル後の青春18きっぷのデザイン ※画像:JR東日本 1.青…

中央快速線のグリーン車導入による変化

2024年10月13日(日)より、中央快速線にグリーン車が導入開始となりました。 座席はリクライニングシートになっており、全席に電源コンセントなどが設置されているなど、快適な電車移動の際の心強い味方になりそうな予感です。来年3月のダイヤ改正まではい…

特急「富士回遊」の運転開始の狙い

JR東日本は2019年3月のダイヤ改正より新宿駅から富士急行線の河口湖駅までを結ぶ特急「富士回遊」の運行を開始しました。 それ以前は土休日を中心に、「ホリデー快速富士山」という快速電車を同区間で運転していましたが、富士山周辺の観光需要が外国人観光…

みさきまぐろきっぷ:京急電鉄と三浦半島の未来

品川~浦賀・三崎口といった都心と三浦半島を結ぶ京浜急行電鉄。 近年では羽田空港の利用者が増加し、空港線も大きな賑わいを見せております。 その一方で三浦半島に位置する自治体の人口は右肩下がりの傾向にあり、今後は少子高齢化の影響も相まって更に人…

JR北海道の鉄道旅客運賃の上限変更認可申請について

JR北海道は6月28日に鉄道旅客運賃の上限変更認可を、国土交通省に申請したことがニュースとなりました。 快速エアポートについても値上げの波の影響を受けることになります この上限変更認可が許可されると、運賃改定率は以下のようになります。 普通旅客運…

五日市線減便から見えてくる首都圏鉄道網の今後

東京の郊外を走る五日市線、拝島駅から武蔵五日市駅までを結ぶ約11kmの短い路線です。全線単線ではありますが、電化されており中央快速線でおなじみのE233系が使用されています。朝夕には拝島から青梅線に直通し立川駅まで乗り入れる列車もあります。 2015年…

南武線快速稲城長沼行設定の真相

2019年3月のダイヤ改正より、帰宅ラッシュ時間帯に南武線の快速運転が開始されました。それ以降現在に至るまで夕方の快速運転は継続されています。 具体的な内容としては、下り列車は平日17~19時台に快速列車を4本を(川崎発稲城長沼駅行)運行し、上り列車は…

地方都市の新たな挑戦:富山ライトレール

JR西日本の路線の一つであった富山港線が廃止され、その跡地に富山ライトレールが開業しました。開業前は経営が上手くいくのか懐疑的な意見も聞かれましたが、その予想をよそに順調な経営状態を維持しています。 今回は富山ライトレールが成功した訳を紐解い…

札沼線の末端区間廃止から思うこと(後編)

札沼線の末端区間廃止から思うこと(前編)では、札沼線が持つ二つの顔について、両者を比較しながらまとめてみました。 southsnows.hatenablog.com 今回は廃止された区間である、北海道医療大学駅~新十津川駅間についてみていきたいと思います。 ①輸送人員…

札沼線の末端区間廃止から思うこと(前編)

JR北海道の路線の一つに札沼線という路線があります。 札沼線は桑園~北海道医療大学駅間を走行する路線のことですが、列車は隣の札幌駅を起点に運行されています。 この路線の沿線には高校や大学が数多く設置されているため、「学園都市線」という愛称が付…

第三セクター路線の模索:北越急行の展望

北越急行ほくほく線といえば、北陸新幹線金沢駅延伸まで特急「はくたか」が走っていた路線として有名で、長らく東京北陸間の速達輸送を担ってきました。 今回は北越急行ほくほく線と北越急行株式会社の歴史と、北陸新幹線金沢延伸による変化を見ていきたいと…

北海道新幹線の在り方について考える(下)

前回の中編では北海道新幹線が札幌まで延伸し全線開通したら道内の交通網にどういった変化をもたらすか考察しました。 southsnows.hatenablog.com 今回は北海道新幹線が全線開通したら首都圏の交通事情にどういった変化が起こるかを考察していきたいと思いま…

北海道新幹線の在り方について考える(中)

北海道新幹線の在り方について考える(上)では北海道新幹線の現状の課題について考察してみました。 southsnows.hatenablog.com 今回は、北海道新幹線が全線開通した際の今後の展望と問題の解決策について中、下編の2回に分けて考察していきたいと思います…

北海道新幹線の在り方について考える(上)

2016年3月26日、新青森~新函館北斗駅間に北海道新幹線が開通しました。 北海道新幹線とは整備新幹線の一つであり、計画では新青森~札幌までを結ぶ新幹線です。未開業区間である新函館北斗~札幌については2030年度末の開業を目指し工事が進められています…

中央快速線の朝ラッシュ対策の秘密

中央快速線は東京の玄関口である東京駅を起点に、副都心の中心地である新宿を経由し、高尾駅までを結ぶ路線です。この路線は都心と多摩地域を結ぶ重要な路線であり、朝夕のラッシュ時を中心にどの時間帯でも利用客の多い路線です。 そのため、ラッシュ時は輸…

千葉県の利便性損なわれる?JR東日本のダイヤ変更問題

昨日、JR東日本千葉支社より京葉線のダイヤを2024年9月1日より変更すると発表がありました。 これは2024年3月のダイヤ改正で平日の朝と夕方以降の通勤快速と快速計33本を各駅停車に変更しましたが、千葉県や沿線自治体などが東京への利便性が損なわれるな…

江ノ電が多くの人を引き寄せる魅力とは

江ノ島電鉄が運行している江ノ電。鉄道ファンはもちろんのこと、全国的にも有名な路線です。 江ノ電は神奈川県の藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ全長約10kmのとても短い路線ですが、休日や繁忙期になると多くの人が利用する路線です。 江ノ電がなぜここまで人々から愛…

幻となった京急の延伸計画

京急久里浜線、三浦半島南部の堀之内(横須賀市)から三崎口(三浦市)を結ぶ京急の路線の一つであり、堀之内から先は京急本線へと直通しています。 この路線には三崎口から先、油壷までの延伸計画が存在していましたが2016年に延伸計画の凍結が発表されました。…

多摩都市モノレールの未来

現在上北台駅~多摩センター駅間が開業し、多摩地域を南北に結ぶ役割を担っている多摩都市モノレール。当路線にはいくつかの延伸予定が存在します。 今回はその中でも開業が最も近いであろう、箱根ヶ崎延伸とその他の延伸計画についてご紹介させていただきま…

通勤ライナーから特急化へ(中央ライナー・青梅ライナー廃止について)

2019年3月のダイヤ改正により、平日の通勤時間帯に運行されていた「中央ライナー」と「青梅ライナー」が廃止されました。 それと同時に、特急「はちおうじ」と「おうめ」が設定され、事実上のライナーの特急化が行われました。 このライナーの特急化されたこ…

房総特急の衰退と未来展望

東京と房総半島を結ぶ特急「さざなみ」・「わかしお」、この両列車はここ数十年の間に大きく衰退しました。 2015年のダイヤ改正では東京と内房を結ぶ「さざなみ」の館山直通列車の廃止による区間短縮(東京~君津間)や土休日の運行の廃止など観光需要の利用を…

なぜ中央特快は吉祥寺を通過するのか(後編)

前回は「なぜ中央特快は吉祥寺を通過するのか(前編)」と題して中央快速線の種別についてまとめてみました。 今回は本題のなぜ吉祥寺に中央特快が停車しないのかを考察していきたいと思います。 ↓前編の記事はここからご覧いただけます southsnows.hatenablog…

なぜ中央特快は吉祥寺を通過するのか(前編)

東京都の中心を東西に走る中央快速線。東京駅から高尾駅までを結ぶ当路線には様々な種別の列車が走っています。 今回は前編として、中央快速線を走る種別の説明を簡単にまとめていきたいと思います。 中央快速線には主にE233系の車両が使用されています 中央…

鉄道の未来を拓く: リニア中央新幹線の展望

リニア中央新幹線、JR東海が2036年以降に開業を予定(品川~名古屋間)している一大プロジェクト路線であり、今現在も工事が着々と進めれています。 リニア新幹線や中央新幹線といった愛称でも知られている同新幹線が開通したら、日本の鉄道はどのような変化…