台風接近による計画運休の是非について
昨日の夜から本日の朝方にかけて、台風15号が接近上陸し、関東南部を中心に猛烈な風と雨を降らせました。
この影響でJR東日本やJR東海は一部路線の「計画運休」を発表、実際に終電時間の繰り上げや一部路線の運休を実施しました。主な路線としては、
・東海道線
・伊東線
・京葉線
・内房線
・外房線
といった海沿いを走行し、強風の影響が大きい路線が計画運休を実施しました。
そして、9日の始発から朝方にかけては
山手線、京浜東北・根岸線、東海道線、横須賀線、総武快速線、中央線(快速)、中央・総武線(各駅停車)、中央本線、埼京線、川越線、宇都宮線、高崎線、常磐線(快速)、常磐線(各駅停車)、成田線、武蔵野線、南武線、横浜線、相模線、青梅線、五日市線、八高線、京葉線、鶴見線、伊東線
の首都圏のほとんどの路線が運休することになりました。
これは台風や地震などが発生した場合は線路設備の点検等に時間がかかることによる措置です。実際、線路や架線への倒木や線路冠水といった事象があちらこちらで発生し、撤去や安全確認にかなりの時間がかかりました。
そういった意味でも計画運休の実施や事前アナウンスは非常に良いと思います。
計画運休を事前にアナウンスしていた今日でさえも、多くの駅に乗客が押し寄せて運転再開を待つ長蛇の列が出来たり、運転再開をした数少ない路線に乗客が集中するなどの事例が確認されています。
もしこれが事前にアナウンスされずにいたら駅の混乱や混雑は更に大きくなっていたでしょう。過度な混雑は体調不良者の発生や、駅構内での滞留などによる危険を増大させるといった新たな被害をもたらすことがあります。そういった危険の回避や軽減を目的に行われる計画運休及び事前アナウンスは今後も積極的に取り入れる必要があります。
首都圏の鉄道は深夜1時頃に終電が終わり、早朝5時頃からは初電が走り始める為、線路のメンテナンスや安全確認等はその間の4時間以内でしか行えません。また駅係員はその短い時間で仮眠をとり、早朝からの勤務に備えています。その中でこういった自然災害による被害が発生すると、そちらの対応に追われることは想像に難くありません。
すなわち、線路の復旧や安全確認をする時間が終わらなければ列車は動かせないのに、多くの旅客が駅に押し寄せてしまってはそちらの対応にも人員を割く必要が出てくるため、結果的に運転再開に向けた作業が遅れてしまいます。
人手不足や人員削減により鉄道の現場で働く人々の数は減少傾向にあります。そういった方々の負担を減らすべく、今後も鉄道会社は積極的に計画運休を実施し、安全な輸送を行うことはもちろん、そういった大変な状況の第一線で働く現場の方々の負担を軽減してほしいと思います。
また、この風潮が社会全体にも広まり、自然災害発生時には一般企業も臨機応変に社員を出社させる、または始業時間を繰り下げる、休業するといった対応をしてほしいと考えます。
この風潮が許されなければ、日本の社会は非常に窮屈で融通が利かない社会になってしまいますし、働き方改革など行えるはずもありません。計画運休に反対する方もいらっしゃるようですが、それは結果的に自分自身の首を絞める結果になっているのではないでしょうか。
今回の事象をきっかけに日本社会全体が変わっていくことを切に願っています。